シェイド物語⑨〜崩壊編〜

東日本大震災を機に
おかしくなっていった社長。

圧力をかけられ過酷な毎日を送る
バンドメンバー。

シェイド物語⑧〜格差編〜

トラブルはさらに続きます。

 

■会議と旅行

社長の予定に合わせて
スケジュールを組んでいた
週に一度の定例ミーティングを
社長がすっぼかすようになりました。

この頃になると
曲作りやアレンジをしても
社長がOKをださないと
前に進まないシステムが
出来上がっていたので、
ひたすら曲作りをしていました。

他の事務所の女性アーティストたちと
温泉旅行にでかけている…と
社長の奥さんから聞かされたことも
ありました。

 

■自粛ムード

東日本大震災のあと、
日本中は自粛ムードに包まれました。

決まっていたライブやイベント
その他のお仕事も次々と
キャンセルされていきました。

空いたスケジュールの部分で
計画停電に配慮した
「電源を使わない路上ライブ」を
東京・神奈川で実施し、
CDの売上を義援金として寄付するために
コツコツと活動していました。

私達のバンドについていてくれた
スポンサー企業も離れていき、
小さな音楽事務所の経営は
危うくなる一方でした。

当時のシェイドくんとおかっぱミユキ

当時のシェイドくんとおかっぱミユキ

 

■未払い

資金繰りに困った社長は
どんどん壊れていきます。

取引先から我々アーティストに
「社長と連絡が取れない」
「製作の費用が未払いのまま」
「なんとかならないか」
と直接連絡が来るようになりました。

ついには我々アーティストに対する
製作費や報酬の支払いも
滞るようになっていきました。

 

■酔っ払いと飼い犬

ある日、毎週の定例ミーティング、
ウイスキー片手に社長がやってきました。

他の事務所の女性アーティストとの
食事会に出掛けていると
奥さんから聞いていた日の事でした。

会議に参加するなり
社長は呂律の回っていない口調で
「お前たちは出来損ないだ」と
繰り返し我々を罵倒しました。

1ヶ月ほど定例ミーティングを
すっぽかしたうえに酔って参加し
会議をぐちゃぐちゃにし
報酬未払いにしているメンバーを罵倒…

我慢の限界でした。

「社長、酔っていないときに
改めてもう一度
言っていただいてもいいですか?」
おかっぱミユキが言いました。

その言葉に反応した
社長が大声を出し始めました。
「お前は生意気なんだよ!」
「小賢しい!」
「黙って言うことを聞いてろ!」
「バカの方が扱いやすいんだよ!」
「飼い犬に手を噛まれるとはこの事だ!」
「俺はこんなにやってやってるのに!」

 

幸い、家族や身体や家は無事だった
「エレジー」のメンバー。
しかし思わぬところから
音楽活動継続の道が
ガラガラと音を立てて崩れていきます。

つづく。