スカウトされたときの話。

中学生の時、
愛知県の国道沿いにある
健康ランドで、
作曲家の男の人から
スカウトされたことがあった。

「歌手にならない?」

親に言われて出場した、
大広間でのカラオケ大会で
準優勝したときのことだった。

私はYESと言いたかった。
でも、親の顔色を見た。
親はNOと答えた。

「この子は来年受験なんです。
 勉強で忙しいので、
 そんなことをさせている
 暇はありません。」

作曲家の人は、私に名刺をくれた。

「気が向いたら連絡してね。」

荒木さんという名前だった。
その名刺は取りあげられて、
私の夢とともに
行方が分からなくなった。

どうしてあの時、
自分の意思で動けなかったんだろう。

#ふと思い出したので書いてみた
#実話です
#今しあわせだから良いんだけどね

 

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