かわいそうの話

クラスメイトに、
生まれつき脚が動かない子がいた。
とても明るく活発な性格のその子は、
クラスの人気者だった。
脚が動かないことに対しても、
ただの「特徴」だと
捉えているようで、
特に悲観的な様子はなく、
他のクラスメイトもみんな
同じように自然に接していた。

今考えると、その子はその子なりに
辛い思いもしてきたんだろう。
そして、何度も受け入れたり
乗り越えたりしながら
生きてきたんだろう。

授業参観の日、沢山の大人が
教室にやってきた。
そしてそのうちの誰かが、
その子に言った言葉が
聞こえてしまった。

「かわいそう」

びっくりした。
その子が自分らしく
生きていたからか
「かわいそう」と思ったことは
一度もなかったからだ。

「かわいそう」って、何なんだろうね。

※クラスメイトのことを
特定できないように、
かなりフェイク入れてます

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