障害と平等の話

「私は車椅子で生活しているから、
 今度のワンマンライブの
 チケット代を無料にして」
「CDとグッズも無料にして」
「打ち上げにも参加する
 つもりだから、場所と時間を教えて
 飲食代も無料にして」
「介助してくれるスタッフもつけて」

約10年前、路上ライブを
よく見にきてくれる、
足に生まれつき障害を持っている
ファンの方から、そんなメールが
事務所に届いたと耳にした。

それを聞かされて、しばらく、
意味がわからなかった。
そして、そうすることが
当たり前なのかな……と思った。

「障害を盾に、当たり前のように
 誰彼構わず、なんでもやらせようと
 していることが許せない!」
ひとりのスタッフが
そう言わなかったら、ずっと意味が
わからなかったのかもしれない。

……そのスタッフのお母さんは、
重度の障害者だった。

その後、事務所から
「お客様は平等なので、
 申し訳ないが今回のライブにおいての
 障害者割引などは考えていない」
という旨の連絡をしたそうだ。

結局、そのファンの方は、
ライブ当日、会場の前で
「お金がないからチケット買えないけど
 ……いいんです、私に障害が
 あることがいけないんですから」と
入場待ちで並んでいるファンに
言って回ったそうだ。

そのおかげか、誰かに当日券を
購入してもらえたそうで、
無事にライブハウスに入り、
ライブを見ることができたらしい。

きゃー♡
そっかそっか♡
奢ってもらえて、
タダで入れてよかったね♡
わーいわーい♡

……とならなかったのは、
私の心が腐っているからだろうか。

※ファンの方やスタッフが
 特定できないように、
 かなりフェイク入れてます

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