幸せのパスポート

今あるものを大切にする。
かつての私には、それが難しかった。

家族が死んだ。
離婚した。
会社行くのが嫌だ。
苦手な人がいる。
生きているだけでお金かかる。
……そんなことばかりに
目がいっていた時期があった。

「ため息色のあの日の僕は
ないものばかり数えていた
ひとりぼっちのような気がして
自分のことしか見えなかった」
（「唇に歌声を」おかっぱミユキとメガネズ）

まさにこれ。
毎日「嫌だ嫌だ」「無い無い」って
言ってた気がする。

「『ありがとう』の数を数えてみたら
ひとりじゃないことを知ったよ」
（「唇に歌声を」おかっぱミユキとメガネズ）

けど、ある日、
何気なく生きている中にも、
たくさんの「ありがとう」が
あることに気づいた。

気にかけてくれる仲間。
連絡くれる友達。
感じのいい店員さん。
荷物届けてくれる配達員さん。
ディスプレイの向こう側で
応援してくれる人。
……数えてみたら結構な数だった。
そして「ひとりじゃないじゃん」
って気づいた。

たくさん持ってるんだよね。
憧れのあの人でさえ持ってないもの、
たくさん持ってるんだよね。

それって幸せじゃん。

今あるものを大切にする。
それは、幸せへのパスポートだった。

「唇に歌声を」

ブルーなときの合言葉唇にいつも歌声を
涙がこぼれそうなときも唇にいつも歌声を

ため息色のあの日の僕は
無いものばかり数えていた
ひとりぼっちのような気がして
自分のことしか見えなかった

「ありがとう」の数を数えてみたら
ひとりじゃないことを知ったよ

ブルーなときの合言葉唇にいつも歌声を
涙がこぼれそうなときも唇にいつも歌声を

本当に大切だと思っている
誰かを大切にするには
自分も大切にできるような
強さが必要だと知ったよ

きっと未来の自分が見たら
「たいしたことない」って言うだろう

ブルーなときの合言葉唇にいつも歌声を
涙がこぼれそうなときも唇にいつも歌声を

今日泣いたことも
いつか懐かしく思えるよ

なんだかヘコんだ気分も
心なく響いた言葉も
あんなこと笑い飛ばせばいいさ
唇にいつも歌声を

ブルーなときの合言葉唇にいつも歌声を
涙がこぼれそうなときも唇にいつも歌声を