ごめんねとありがとうの話

高校生の時のこと。

「ごめんね」

ある日、私が落としたペンを
友達が拾ってくれたとき、
とっさにその言葉が出た。

「こういうときは『ありがとう』
 って言うんだよ。」

優しい顔をした友達が、
そう言ってくれた。

それから、誰かに何かして
もらった時に「ごめんね」と
言ってしまう癖があることに
気づいたので、
友達とあるゲームをすることにした。

一緒にいるときに、
謝らなくてもいいシーンで
「ごめんね」と言ってしまったら
友達の貯金箱に100円を、
ちゃんと「ありがとう」と言えたら
私の貯金箱に100円を入れて、
貯まったお金で何かする
という内容だ。

最初、友達の貯金箱には
勢いよく100円が溜まった。
でも、しばらくすると、
私の貯金箱に100円が
入るようになった。

私の貯金箱の方が少し重くなる頃、
友達の誕生日がやってきたので、
2人でケーキを買いに行った。
「ありがとう」が多めの
100円たちで買ったケーキは、
とても美味しかった。

そして、友達からも
「ありがとう」が返ってきた。

悪いことをした時に謝ることは、
とっても大切だ。
けれど、誰かに親切にされた時、
私たちは「ありがとう」の代わりに
「ごめんね」と
言ってしまう事がある。

親切にしてくれた人は、
謝られるよりも、
きっと感謝される方が嬉しい。

誰かに親切にされたとき、
「ごめんね」ではなくて
「ありがとう」の存在を
思い出すことができたら、
今よりもっとステキな世界が
待っているはずだ。